
もし大きな地震や水害が起きたとき、「どうやって守ればいいんだろう」と不安に感じる方はとても多いです。これまでに起きた災害では、「ペットと一緒に避難できなかった」「家に取り残してしまった」という後悔の声をたくさん耳にしてきました。でも、少しの準備と正しい知識があれば、その不安は大きく減らせます。
この記事では、ペット防災の全体像から、最低限本当に必要な7つのグッズ、失敗しがちなポイント、そして信頼できる商品紹介まで、ひとつずつ詳しくお伝えしていきます。
なぜ今ペットの防災準備を始めるべきなのか
ここ数年だけでも、全国各地で災害による大きな被害が出ています。家族の避難計画を立てるときに「ペットはどうしよう」と後回しにしてしまうと、いざというときに困ることになります。ペットは自分で逃げることができません。大きな音や揺れに驚いて、いつもと違う場所に隠れてしまうこともよくあります。また、避難所での生活が始まると、環境が変わったストレスで食欲がなくなったり、体調を崩したりすることも珍しくありません。さらに、災害直後は動物病院も被災している可能性が高く、すぐに診てもらえない場合があります。だからこそ、飼い主さんが事前にしっかり備えておくことが、ペットを守る一番の近道なのです。「まだ大丈夫」と思っている今だからこそ、少しずつ準備を始めてみませんか。
ペット防災を5つのステップで考える
2-1. 毎日の生活の中でできる準備
まずは、ペットの基本情報を1枚の紙にまとめておきましょう。名前、年齢、体重、毛色、持病、ワクチンの接種日、かかりつけの動物病院の住所と電話番号、飼い主さんの
連絡先などです。これをラミネート加工して持ち出し袋に入れておくと、万一離れ離れになってもすぐに伝えることができます。又、マイクロチップを入れておくと、首輪が外れてしまっても身元が分かりますので、ぜひ検討してみましょう。

2-2. 家族みんなで避難計画を立てる
家族で話し合って、「誰がどの子を連れて逃げるか」「どのルートで避難するか」を決めておきましょう。お住まいの地域でペットと一緒に過ごせる避難所を調べておき、車の中での待機や親戚宅への移動も選択肢に入れておくと安心です。月に1回でも、キャリーやリードを持って家の周りを歩く練習をしておくと、いざというときに慌てずに済みます。小さな子どもや高齢の方がいるご家庭では、特に役割をはっきりさせておくことが大切です。
2-3. 自宅で過ごすときの備え
地震の直後は道路が使えなかったり、避難所が混雑していたりして、自宅で数日過ごすこともあります。そのため、家具は転倒防止金具で固定し、ガラスには飛散防止フィルムを貼っておきましょう。ペットのケージは倒れにくい壁際に置き、上に物が落ちてこないようにします。週末に浴槽にお水を張る習慣をつけておけば、最悪、断水しても人間用・ペット用どちらの飲み水にも困らなくなります。トイレの近くには予備のトイレシートや猫砂を置いておくと便利です。
2-4. 実際に避難するときの流れ
警報が鳴ったら、まず落ち着いてペットを確保します。犬はリードを、猫はキャリーに入れるのが基本です。次に玄関に置いてある持ち出し袋を持って外へ出ます。夜間に避難することもあるので、靴のそばに懐中電灯やヘッドライトを置いておくと安心です。避難中もペットが興奮しないよう、優しく声をかけてあげましょう。

2-5. 避難生活が長くなったときのケア
避難所での生活が長引くと、ペットは大きなストレスを感じます。いつものフードを与えて安心させてあげたり、短い時間でも一緒に遊んであげたりすることがとても大切です。
お薬を飲んでいる子は最低30日分、できれば60日分を用意しておくと安心です。また、ノミ・ダニ予防薬も忘れずに飲ませましょう。避難所は多くの動物が集まるため、感染症のリスクが高まるので注意しましょう。
本当に必要な防災グッズ7選
玄関に防水のバッグを1つ置いて、以下の7点をまとめておけば、いざというときに慌てません。
3-1. キャリーまたはしっかりしたリード
避難するときに一番大切なのが移動手段です。キャリーは上からも横からも開けられるものが便利で、犬や猫も落ち着いて入れます。今のうちから中におやつを置いて、安心できる場所だと覚えさせてあげるとよいでしょう。

3-2. 飲み水と折りたためる水飲み皿
人間用とは別に、3日分以上の水を用意しておきましょう。体重10kgの犬で1日約2リットル、猫で約0.5リットルが目安です。シリコン製の折りたためるお皿なら場所を取らないし、ペットボトルのキャップに取り付けられるタイプもあります。
3-3. いつものフードとおやつ
普段食べているフードを7〜10日分、できれば2週間分用意しておきます。急に違うものをあげるとお腹を壊すこともあるので、いつもの味が一番安心です。ストレスで食欲が落ちたときのために、少しカロリー高めのおやつも入れておくと良いでしょう。
3-4. トイレシート・猫砂・処理袋
避難所では排泄物の処理が一番の悩みになります。厚手のトイレシートを30〜50枚、猫の場合は軽量の紙製猫砂を用意しておきましょう。排泄後は二重の袋に入れてしっかり結ぶための処理袋も50枚以上必要です。周囲への迷惑を最小限にするため、消臭力の高いトイレシートを選ぶと安心です。
3-5. 簡単な救急セット
小さな怪我や体調不良にすぐ対応できるように準備しておきましょう。消毒液、ガーゼ、包帯、綿棒、動物用の体温計、爪切り、ピンセット、持病のお薬(30日分以上)、ノミ・ダニ予防薬などをひとまとめにします。動物用の体温計なら先端が柔らかいので安全です。「これをどう使うか」を簡単に書いたメモも一緒に入れておくと、慌てずに処置ができます。
3-6. 迷子札と光る首輪
万一離れ離れになっても、再会できる可能性を高めるアイテムです。首輪には「ペットの名前・飼い主さんの名前・電話番号」を書いた迷子札を必ず付けましょう。夜間の避難や停電時にも見つけやすいよう、光る首輪や反射材付きのリードを組み合わせるとさらに安心です。
3-7. 防水の毛布とお気に入りのおもちゃ
避難所は床が冷たくて硬いので、防水の毛布やマットを1枚用意しておきましょう。汚れても拭きやすく、怪我のときは担架代わりにもなります。そして、普段から使っているおもちゃやタオルも用意しておくとよいです。あなたの匂いが付いているだけで、怖がるペットを落ち着かせてくれる効果があります。かさばる場合は、圧縮袋で小さくしておくと持ち運びやすいですよ。

失敗しやすいポイントとその対策
フードや薬が期限切れになる:
普段使いのフードや薬を少し多めに買い、古いものから消費して補充する「ローリングストック」を行いましょう。こうすれば賞味期限を気にせず、常に新鮮な状態で備えられます。
キャリーに入ってくれなくて困る:
毎日5〜10分だけキャリーの中に入れておやつやごはんをあげましょう。「ここに入ると良いことがある」と覚えさせると、いざというときにスムーズに入ってくれます。

避難所で「ペットはダメ」と言われてしまった:
お住まいの自治体のホームページを3か月に1回は確認しておきましょう。ペット同伴OKの避難所を2〜3か所リストアップしておくと安心です。
持ち出し袋が重すぎて持てない:
本当に必要な7点だけに絞り、全体の重さを5kg以内にしましょう。リュック型のバッグにすると両手が空くので、ペットを抱えながらでも移動しやすいです。
水がすぐに足りなくなる:
人間用とは完全に分けて、ペット専用にペットボトルを最低6本ストックしておきましょう。置き場所を決めておくと、忘れずに補充できます。

おすすめのグッズ7選
5-1. キャリー
アイリスオーヤマ 折りたたみペットキャリー FC-670
上部と正面から開閉可能で、ペットの出し入れが簡単です。折りたたみ式なので収納に場所を取らず、中型犬や猫に適したサイズ感が人気です。
5-2. 折りたためる水飲み皿
ペティオ クールアルミキャットボウル
シリコン製の折りたたみタイプで軽量、カラビナ付きなのでバッグに簡単に取り付けられます。アルミ素材で冷たさを保ちやすく、旅行や避難時に便利です。
5-3. フード
ヒルズ サイエンス・ダイエット 犬用 毎日の活力維持機能 小粒
小粒タイプで食べやすく、チキン味が中心の栄養バランスの良いドライフードです。抗酸化成分が豊富で、成犬の健康維持に適しており、多くの飼い主さんに支持されています。
5-4. トイレシート
ユニ・チャーム デオシート プレミアム 12時間 超消臭&超吸収 厚型 レギュラー
厚型で吸水・消臭力が非常に高く、12時間以上臭いを抑えます。避難所のような狭い空間でも周囲に気を使わず使えます。
5-5. 救急セット
ドギーマン ペットドクター 応急処置セット
消毒液、体温計、包帯、ピンセットなどが一式揃った便利なセットです。コンパクトにまとめられており、初心者でもすぐに使えます。
5-6. 光る首輪
PetSafe LEDライトアップカラー
USB充電式のLED首輪で、防水仕様、長時間点灯可能。夜間の散歩や避難時に遠くから視認しやすく、安全性を高めます。調整可能なサイズが魅力です。
5-7. 防水マット
アイリスオーヤマ ペット用ホットカーペット PHK-M
防水加工の裏面で汚れに強く、丸洗い可能。暖房機能付きですが、常温時もマットとして使え、担架代わりにもなる丈夫な作りです。Mサイズが小型犬・猫向きです。

早わかり表:本当に必要な防災グッズ7選
本当に必要な防災グッズ7選の早わかり表になります。参考にしてみてくださいね。
| 順位 | グッズ | 必要な量の目安(中型犬・猫) | おすすめ商品例(正確な実在商品) | 選ぶポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | キャリー・リード | 1個 | アイリスオーヤマ 折りたたみペットキャリー FC-670 | 移動手段が最優先。上・正面開閉で出し入れ簡単 |
| 2 | 水・水飲み皿 | 水6L以上+皿1〜2個 | ペティオ ポータブルトラベルボウル(シリコン製) | 脱水は命に関わるので人間用と完全に分ける |
| 3 | フード・おやつ | 7〜14日分+おやつ10個 | ヒルズ サイエンス・ダイエット 小粒 1〜6歳 | いつもの味でストレス軽減 |
| 4 | トイレシート・処理袋 | シート30〜50枚+袋50枚 | ユニ・チャーム デオシート プレミアム厚型 | 消臭力抜群で避難所でも安心 |
| 5 | 救急セット | 基本セット+薬30日分 | ドギーマン ペットドクター 応急処置セット | 怪我や体調不良にすぐ対応できる |
| 6 | 迷子札・光る首輪 | 各1個 | Pet Safe LEDライトアップカラー(充電式) | 夜間でも遠くから見つけやすい |
| 7 | 防水マット・おもちゃ | マット1枚+おもちゃ2個 | アイリスオーヤマ ペット用防水マット RMシリーズ | 防寒+心のケア+担架代わりにも |
最後に:今日からできる小さな一歩
まずは本当に簡単なことからで大丈夫です。「ペットの名前・年齢・持病・かかりつけ病院」を1枚の紙に書いて、ラミネートして持ち出し袋に入れるだけ。これで第一歩は完了です。次に、7つのグッズのうち「これならすぐ買えるな」と思ったもの1つだけでも揃えてみてください。例えばトイレシートや水飲み皿など、普段から使うものであれば自然にローリングストックも始められます。少しずつ進めていけば、いつの間にか全部が揃っています。完璧じゃなくても、動き始めたその瞬間から、あなたの大切な家族は確実に守られ始めます。この記事が、その「最初の一歩」を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。さっそく今日から始めていってみましょう。


