
環境が変わったり、騒音が続いたりすると、ペットの体調や行動に変化が現れることがあります。そんなとき、ペットの行動や健康状態を記録する「行動記録」は、異常を早く見つけて適切な対応をするための強い味方になります。また、この記録があれば、獣医師さんに相談するときもスムーズに対応出来ます。
この記事では、ペット用災害時行動記録の大切さ、記録の作り方、モニタリングのポイント、気をつけることをわかりやすくご紹介していきます。
災害時のペット用行動記録の大切さ
災害はいつ起こるかわからず、起こった場合、繊細なペットの体や心に大きな影響を与えます。災害時に起こりやすいリスクを見てみましょう。
ストレスがたまる:
余震や騒音、知らない場所で、ペットが不安やパニックを感じる。
体調の変化:
食欲が減ったり、トイレの様子がおかしくなったり、持病が悪化する可能性あり。
避難所の課題:
慣れない環境や他のペットとの接触で、ストレスが増える。
見逃すリスク:
小さな体調の変化に気づかず、問題が大きくなるリスクあり。
ペット用行動記録があれば、こうしたリスクに早く気づき、ペットの健康を守ることができます。
ペット用行動記録の特徴と必要なもの
ペット用行動記録は、災害時にペットの行動や健康状態をこまめにチェックして記録するものになります。簡単で持ち運びやすいツールを使い、飼い主の皆様が無理なく管理できるようにします。特徴や必要なものは以下になります。
2.1 特徴
こまめにチェック:
毎日決まった時間に記録して、変化を見逃さない。
簡単にできる:
特別な知識や道具がなくても、すぐに始められる。
持ち運びやすい:
紙やスマホで記録でき、避難時にも持っていける。
獣医師さんとの連携:
記録を見せれば、正確な情報を伝えられる。
いろんな場面で使える:
家、避難所、移動中など、どこでも活用可能。
2.2 必要なもの
記録ノート:
専用のノートなどに行動や健康状態を書きます。
スマホやタブレット:
メモアプリや表計算アプリで記録を管理します。
チェックリスト:
食事、トイレ、行動などを確認する項目リストになります。
ペンの予備:
停電でも使えるよう、複数のペンを用意します。
防水ケース:
ノートやスマホを水や汚れから守るケースになります。
これらを準備すれば、災害時でもペットの状態をしっかり記録できます。

ペット用行動記録の作り方とモニタリングの方法
災害時にペットの健康をチェックするには、記録をきちんと行って、こまめにモニタリングすることが大切です。以下のステップで進めてみましょう。
3.1 記録の準備
ノートを用意:
ノートに日付、時間、チェック項目(食事、トイレ、行動、体温など)の欄を作ります。
スマホで管理:
メモアプリや表計算アプリに書式を作り、クラウドに保存してデータが消えないようにします。
普段の情報を記録:
ペットの普段の食事量、トイレの回数、持病を事前にメモしておきます。
持ち運びやすく:
ノートやスマホを防水ケースに入れ、避難バッグにしまっておきます。
3.2 チェックする項目
食事:
どれくらい食べたか、食べる速さ、食べ残しの有無。
トイレ:
尿や便の回数、量、色、形(例:下痢、血が混じる)。
行動:
元気さ、吠える頻度、震えたり隠れたりする行動、落ち着かない様子があるか。
体の状態:
呼吸の速さ、目や鼻の分泌物、皮膚の異常、体重の変化。
周りの環境:
騒音、温度、湿度、他のペットとの関わりはあるか。
3.3 モニタリングの手順
決まった時間にチェック:
1日2~3回(朝、昼、夜)に観察して記録する。
変化をメモ:
いつもと違う点(例:食欲が減った、トイレが少ない)があれば、詳しく書く。
写真や動画:
変な行動や体の状態を撮影して、獣医師さんに伝える情報にする。
普段と比べる:
普段の状態と比べて、どんな変化があるか確認する。
3.4 記録の整理
見やすく整理:
日付順に記録して、読みやすいように整える。
データを守る:
スマホの記録はクラウドやUSBに保存、ノートはコピーを取る。
獣医師さんに渡す準備:
記録をPDFや印刷で用意して、相談時に見せる。
3.5 モニタリングのポイント
いつも同じ基準で:
毎日同じ項目をチェックして、正確な記録をつける。
家族で協力:
家族みんなが記録のやり方を知って、役割を分ける。
獣医師さんの連絡先:
記録に連絡先を書いて、すぐに相談できるようにする。
普段から練習:
災害前に記録の習慣をつけて、ペットの普段の状態を把握する。

ペット用行動記録の活躍する場面
ペット用行動記録は、災害時のいろんな場面で役立ちます。具体的な使い道を見てみましょう。
4.1 家にいる時
地震の直後:
家で過ごすとき、ペットの行動の変化を記録して、ストレスや体調不良を早く見つける。
余震が続いているとき:
余震で怖がる行動をチェックして、落ち着かせる方法を考える。
4.2 避難所で過ごす時
ペット同伴エリア:
慣れない場所での変化を記録して、獣医師さんに相談する。
他のペットとの関わり:
他のペットとの接触でストレスを感じていないかチェックする。
4.3 移動している時
車での移動:
避難中の食事や行動の変化を記録して、体調を管理する。
休憩のとき:
公園や広場で休むとき、環境の変化による影響をメモする。
4.4 長く避難している時
体調の管理:
数日間の避難で、記録を見て体調の変化を把握し、問題を事前に防ぐ。
獣医師さんとの相談:
記録を見せて、正確な診断や治療をサポートを受ける。
4.5 災害後の回復期
ストレスからの回復:
災害後の落ち着きを取り戻す様子を記録して、元の状態に戻るのを確認する。
健康チェック:
記録を基に獣医師さんに相談して、災害後に健康診断を受ける。

ペット用行動記録の気をつけるポイント
行動記録をうまく使うには、以下のポイントに気をつけましょう。
5.1 ペットの健康をチェック
異常を早く見つける:
食欲が減る、トイレがおかしい、震えるのは体調不良のサインです。獣医師さんに相談をしましょう。
小さな変化に気づく:
目が赤い、呼吸が速いなど、細かい変化を見逃さないようにする。
詳しく書く:
異常があった時間や状況、どれくらい続いたかをしっかりメモする。
5.2 記録を正確に
客観的に書く:
感情を入れず、見たままを正確に記録する。
同じ基準で:
毎日同じ項目をチェックして、比べやすいデータにする。
データを守る:
ノートがなくならないよう、スマホでも記録を保存しておく。
5.3 周りの環境に気をつける
ストレスの原因:
騒音や温度がペットの行動に影響する可能性を記録しておく。
安心な環境:
記録するとき、ペットが落ち着ける場所を用意する。
感染症を防ぐ:
避難所では他のペットとの接触を減らし、記録にメモする。
5.4 家族と協力
役割を決める:
家族で誰が記録するかを決めて、情報をみんなで共有する。
練習する:
災害前に記録のやり方を練習して、家族全員が慣れるようにする。
獣医師さんの連絡先:
記録に連絡先を書いて、すぐに相談できるようにする。

災害時のペットケア:行動記録以外のポイント
行動記録だけでなく、以下の工夫を組み合わせると、ペットの健康や安全をさらに守れるようになります。
6.1 水と食事の準備
たっぷり用意:
3~5日分の水(犬は体重1kgで1日50ml、猫は30ml、ウサギは100ml)とごはんを防水バッグに入れる。
新鮮に保つ:
水は毎日取り替え、ごはんは密封容器で湿気や虫を防ぐ。
記録とつなげる:
ペットの食事や水の量を記録して、異常を早く見つける。
6.2 避難所の準備
ペット同伴の場所:
ペットOKの避難所を事前に調べて、ルールを確認する。
避難のルート:
安全な避難経路を家族で共有し、ペットを運ぶキャリーを用意する。
記録を持ち運ぶ:
避難所で記録を見せて、ペットの状態を説明する。
6.5 健康管理を続ける
獣医師さんに相談:
災害前にペットの健康をチェックして、記録の基準を作っておく。
薬を用意:
毎日飲む薬が必要なペットには、1週間分の薬を準備する。
応急処置:
簡単な応急処置キット(包帯、消毒液、ピンセット)を用意する。

早わかり表:ペット用行動記録の作り方と使い方のポイント
ペットの種類 | おすすめの記録項目 | 必要なもの | 使う場面 | 気をつけること |
---|---|---|---|---|
小型犬・猫 | 食事、トイレ、行動 | ノート、スマホ | 家で待機、避難所 | こまめな観察、データの保存 |
中型・大型犬 | 行動、呼吸、体重 | チェックリスト、防水ケース | 移動中、長期避難 | 正確な記録、獣医師との相談 |
小動物 | 元気さ、食事、トイレ | メモアプリ、ペン | 車内、復旧後 | 環境の影響、ストレス管理 |
まとめ:ペットと安心して災害を乗り切るために
災害時のペットの健康を守るには、行動記録をつける事がとても大切です。食事、トイレ、行動をこまめに記録することで、異常を早く見つけて、獣医師さんにすぐ相談できます。
以下のポイントを押さえて、さっそくはじめてみましょう!

・ペットの行動や体調を記録する習慣をつける。
・ノートやスマホを使って、持ち運びやすい記録帳とする。
・異常があれば、記録を見せて獣医師さんに相談する。
