
日本は地震が多い国であり、いつ大地震が来てもおかしくありません。家族の安全を守るためには、住まいを地震に強くすることが大切です。さらに、ペットを飼っているご家庭では、ペットが揺れや落下物から守られる準備も欠かせません。
この記事では、お金をかけずにはじめられる耐震リフォームの方法と、犬、猫、爬虫類、鳥などのペットを守る具体的な対策をわかりやすくお伝えしていきます。
耐震リフォームと安全対策の大切さ
2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震では、家が倒れたり、家具が倒れたりして、とても大きな被害が出ました。ペットも同じように、ケージが落ちたり、ガラスが割れたりしてケガをする危険性があります。住まいの耐震性を高め、家族とペットの安全を守る準備をしておけば、もしもの時も安心することができます。
1-1. 地震がもたらす家とペットの危険度
日本では、毎年約2,000回の地震が起きていて、震度6以上の大きな地震も珍しくありません。国土交通省によると、1981年より前の古い基準で建てられた家は、震度6強で倒れる可能性が高いと言われています。家が壊れたり、家具が倒れたりすると、家族だけでなくペットも危険にさらされます。たとえば、犬や猫は倒れた家具に挟まれる恐れがあり、爬虫類のケージはガラスが割れて脱走やケガにつながることもあります。鳥のケージが落ちると、骨折の原因になります。
1-2. お金をかけないリフォームの良いところ
耐震リフォームというと、お金がかかりそうなイメージがありますよね。でも、壁の補強や家具の固定など、少ない予算でもできることがたくさんあります。低コストでも家を強くしておけば、地震の時に避難する時間を稼げたり、ケガのリスクを減らすこともできます。日本建築学会のデータでは、簡単な補強で家の耐震性が20~30%アップするそうです。
1-3. ペットの種類ごとの地震の影響
ペットは種類によって、地震の影響度が違います。犬は揺れや音でびっくりしてパニックになることがあり、猫は隠れようとして脱走してしまうことがあります。爬虫類はケージが倒れるとケガをしやすく、鳥はケージが落ちた事により大きなストレスを感じてしまいます。事前に耐震対策をしておけば、ペットのケガやストレスを減らし、避難の混乱を防ぐことができます。

少ない予算でできる家の耐震リフォーム
お金をかけず、住まいを地震に強くする方法をご紹介します。自分でできる簡単なリフォームを中心に、わかりやすく解説します。
2-1. 壁や柱を強くする工夫
古い木造の家は、壁や柱を補強すると強度がアップします。以下の方法を試してみましょう。
耐震パネルの取り付け:
ホームセンターで買える耐震パネル(1枚2,000~5,000円)を壁に貼り、ネジで固定します。1部屋なら2万円くらいでできます。
木材での補強:
柱の間に木材(1本1,000円くらい)を斜めに取り付けます。DIYでも簡単にできます。
金具で固定:
柱と土台をL字の金具(1個500円)でつなぎます。10箇所で5,000円くらいで済みます。
*これを行えば、震度5強くらいの揺れにも耐えられる可能性が上がります。始める前に、自治体の耐震チェック(無料のところも多い)を活用してみましょう。
2-2. 家具を倒れないようにする
地震で家具が倒れると、ケガの原因になります。こんな対策で安全性を高めましょう。
L字金具:
本棚やタンスを壁に固定(1セット500円)します。4箇所で2,000円くらいで済みます。
突っ張りポール:
天井と家具の間に取り付けます(1本1,500円)。

滑り止めシート:
家具の下に敷きます(1枚1,000円)。
*キッチンやリビングの大きな家具は特に固定を強化しましょう。子供部屋の本棚も忘れずに補強しておきましょう。
2-3. 窓やガラスの安全対策
ガラスが割れると、破片でケガをする危険性があります。こんな方法で備えておきましょう。
ガラス飛散防止シート:
窓に貼るシート(1㎡1,000円)。
強化シール:
ガラス扉に貼って割れにくくします(1枚2,000円)。
厚手カーテン:
破片を減らす効果あり。1窓5,000円くらいで済みます。
*これらなら、1~2万円で家全体の窓を対策できます。
ペットを守る耐震対策
ペットの安全を守るには、ケージや飼育スペースを地震に強くすることが大切です。犬、猫、爬虫類、鳥に合わせた対策をご紹介します。
3-1. ケージや飼育スペースをしっかり固定する
ペットのケージは、地震で倒れたり動いたりして危険です。こんな方法で固定しましょう。
犬のクレート:
金属のクレートを壁にL字金具(1個500円)で固定します。底に滑り止めシート(1,000円)を敷くとよいでしょう。
猫のキャットタワー:
突っ張り式タワー(5,000円)を天井に固定します。転倒防止ベルト(1,000円)で補強するとよいです。

爬虫類のケージ:
プラスチックケージを耐震シート(1,000円)で床に固定します。蓋にロック(500円)を付けましょう。
鳥のケージ:
小型ケージを棚に金具(500円)で固定します。落下防止ネット(2,000円)で囲むとよいです。
3-2. ペットのための安全なスペース
地震の時にペットが落ち着ける場所を作っておくと安心です。
犬:
リビングの隅にクレートを置き、毛布で囲みます。静かな場所を選んであげるとよいでしょう。
猫:
クローゼット内に段ボールで隠れ家を作り、滑り止めシートを敷いてあげます。

爬虫類:
ケージを低い位置(床から30cm以内)に置き、落下防止ネットで守ってあげます。
鳥:
ケージをテーブルの下に置き、布で覆って騒音を減らしてあげます。
*安全スペースは、家具やガラスから離れた場所に設置しましょう。
3-3. ペットの脱走を防ぐ
地震でドアや窓が開くと、ペットが逃げ出す恐れがあります。
ドアストッパー:
耐震ロック(1個1,000円)を室内ドアに付けておきます。
窓の補助錠:
スライド窓にロック(1個500円)を付けておきます。

連絡先タグ:
ペットの首輪に名前と連絡先を付ける(500円/匹)。
耐震リフォームとペット対策を進めるステップ
少ない予算で耐震リフォームとペットの安全対策を進める手順をご紹介します。
4-1. 家の耐震性をチェック
まず、家の耐震性を確認します。
家の建築年を確認:
1981年より前の家は、自治体の耐震診断(無料~1万円)を依頼します。
壁や柱を点検:
ひびや傾きをチェックします。専門家に相談してみましょう。
ペットスペースを確認:
ケージが家具の下にないか確認します。
*診断結果をもとに、補強の優先順位を決めましょう。自治体の補助金もチェックしてみましょう。
4-2. 予算を計画
1部屋の耐震リフォームとペット対策を10万円以内で進める例の場合です。
壁の補強:
耐震パネルと金具で2万円。
家具の固定:
L字金具と突っ張りポールで1万円。

窓の対策:
飛散防止シートで1万円。
ペット対策:
ケージ固定と安全スペースで2万円。
*予算を3回に分けて、1回3万円くらいで進めると無理がありません。
4-3. 自分でやってみる
週末で作業:
土日に2時間、耐震パネルを貼ります(工具レンタル2,000円)。
ペット対策:
ケージ固定や安全スペースを家族で作ります。
4-4. 定期的に見直す
耐震対策は定期的な点検が必要です。
3ヶ月ごと:
金具やシートの緩みをチェックします。
年に1回:
壁やケージの状態を確認します。ペットの成長に合わせてスペースを調整しましょう。
自治体に相談:
耐震補助金の最新情報を確認します。

早わかり表:耐震リフォームとペット対策
早わかり表:耐震リフォームとペット対策
| 項目 | 家族 | ペット | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 壁・柱補強 | 耐震パネル、木材、金具 | ケージ固定(金具、シート) | 2~3万円 |
| 家具固定 | L字金具、突っ張りポール、シート | ケージ固定(ネット、シート) | 1~2万円 |
| 窓・ガラス対策 | 飛散防止シート、補助錠 | 脱走防止(ドアロック、タグ) | 1~2万円 |
| 安全スペース | 家具から離れたエリア確保 | クレート、隠れ家、ネット | 0.5~1万円 |
| 点検 | 3ヶ月ごとの確認 | ケージとスペースの定期点検 | 無料~0.5万円 |
まとめ:地震に強い家をつくろう
地震に備えるには、家の耐震リフォームとペットの安全対策を一緒に進めることが重要です。少ない予算でも、壁の補強や家具の固定、ケージの安全確保で、家族とペットの命を守ることができます。以下のポイントを参考に、さっそく今日から準備を始めてみましょう。
家の耐震性を確認:
弱い部分を見つけ、優先して補強する。
低予算で対策:
DIYや補助金を使って賢く対策する。



