
大切な家族の犬や猫の目が、気づかないうちに悪化して失明の危機に……そんな事態を防ぐために、毎日のケアが本当に大切です。犬や猫の目の病気は、自分で症状を訴えられないため気づきにくく、進行も早いのが特徴です。特に緑内障、白内障、ドライアイ、結膜炎などが失明の主な原因となっています。早期発見と適切なケアで、大切なペットの明るい視界を長く守ることができます。
この記事では、目の病気の仕組み、悪化の要因、毎日のケア方法、定期検査の重要性、おすすめのアイテムまでを詳しくお伝えしていきます。
目の病気の特徴と種類、リスク要因
1-1 病気の特徴と進み方
犬や猫の目の病気は、ペット自身が痛みや見えにくさを言葉で伝えられないため、飼い主さんが気づくまでにかなり進行しやすいのが大きな特徴です。主なサインは、目やにが増える、目が赤くなる(充血)、目を前足でこする、しょぼしょぼ瞬きが多い、頭をよく振る、壁や家具にぶつかるなどです。これらを見逃さないようにしましょう。特に怖いのは、視神経が一度傷つくとほとんど元に戻らない(不可逆的)ということです。放置すると失明のリスクが非常に高くなります。多くの目の病気は痛みを伴い、特に緑内障の急性発作では数日で視力が失われることもあります。犬の場合、片目から始まって、もう片方の目にも移るケースが少なくありません。失明してしまった後も、犬猫は適応力が高く生活できますが、痛みが残ることが多いため、何より予防と早期発見が一番大切です。定期的に眼圧を測るだけで早期発見しやすくなります。
1-2 種類ごとの違い
緑内障:
眼圧が上がって視神経が障害される病気。原発性(遺伝が主で隅角の構造異常)と続発性(ぶどう膜炎や白内障がきっかけ)の2種類があります。
白内障:
水晶体が白く濁る病気。高齢や糖尿病が原因で、特に犬に多く見られます。遺伝性のものも多く、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーでよく起こります。
ドライアイ(乾性角結膜炎):
涙の量が少なくなり目が乾燥する病気。パグ、フレンチブルドッグ、シーズー、ボストンテリア、ペキニーズなどの短頭種に特に多く見られます。
結膜炎・角膜潰瘍:
感染や異物で目の表面が炎症を起こすもの。猫ではヘルペスウイルスが原因の場合、再発しやすいです。
進行性網膜萎縮(PRA):
遺伝性の病気で、網膜が徐々に衰えて最終的に失明します。ラブラドール、コッカー・スパニエル、コリー系などで注意が必要です。
*猫ちゃんはぶどう膜炎から緑内障に移行しやすい傾向があります。また、FIV(猫免疫不全ウイルス)やFeLV(猫白血病ウイルス)感染が背景にあるケースも。。
犬ではシー・ズー特有の「角膜黒色壊死」も要注意です。
1-3 リスクが高まる要因
目の病気のリスクは、以下のような要因で高まります。複数の要因が重なると特に危険です。
加齢:
7歳以上のシニアになると、白内障や緑内障が急に増えます。
遺伝・犬種:
柴犬は原発性緑内障、短頭種はドライアイや角膜の問題が起きやすいなど、犬種によるリスクがあります。
全身疾患:
糖尿病(白内障の大きな引き金)、高血圧、猫のウイルス感染(ヘルペス、FIPなど)。
外傷・異物:
ケンカ、散歩中の草やゴミ、シャンプーが目に入る、爪で引っかくなど。
環境:
部屋が乾燥している、ほこりが多い、エアコンの直風、たばこの煙など。
ストレス・肥満:
免疫が下がって感染しやすくなったり、糖尿病のリスクが上がったりします。

*最近は室内飼育が増え、乾燥した環境が目の病気を増やしていると言われています。去勢・避妊手術はホルモン関連の疾患を減らす効果もあるので、予防の一環としておすすめです。とにかく定期的な獣医さんでのチェックが一番の対策になります。
目への負担が大きいと起こる悪化の危険性
日常のちょっとした刺激や、病気の初期段階を放置すると、目の病気が急速に悪化してしまうことがあります。特に現代の室内飼育が増えたことで、部屋の乾燥やストレスが目のトラブルを増やしています。室内の空気の質が、ペットの目の健康に大きく影響しているんです。小さな角膜の傷が感染を起こして重症化するケースも少なくありません。
2-1 日常刺激の影響
ほこり、毛、シャンプーの泡などが目に入りやすい環境は、刺激の原因になります。ドライアイがあると目やにが増えやすくなり、そこから感染のリスクが高まります。長時間エアコンや暖房を使っていると、部屋が乾燥して涙がすぐに蒸発し、目の表面が傷つきやすくなります。特に冬の暖房は要注意です。カーペットや布団にいるダニがアレルギー性の結膜炎を引き起こすこともあります。
2-2 急性発作のきっかけ(特に緑内障)
緑内障が急に悪化すると、激しい痛み、目の充血、眼球が大きくなる(牛眼のような見た目)、嘔吐、食欲がなくなるといった症状が現れます。痛みが強すぎて、普段おとなしい子が攻撃的になることもあります。発作から数日で失明してしまう恐れがあるため、こうしたサインが出たらすぐに獣医さんに連れて行きましょう。
2-3 慢性タイプの加速要因
慢性タイプの病気は症状がほとんどなく、気づいた時にはすでに失明している……というケースが少なくありません。白内障が進行して緑内障に移行するパターンが多く、特に糖尿病のある犬でよく見られます。進行性網膜萎縮(PRA)はゆっくりですが、確実に視力が失われていきます。

2-4 生活スタイルの影響
ストレスや肥満は糖尿病や免疫低下を招き、目の病気を引き起こしやすくなります。外遊びが少ない室内生活だと、散歩の短い時間に草や砂などの異物が目に入るリスクが集中します。日常の目元のケアを怠ると、小さな傷や汚れが大きな病気に発展しやすくなります。多頭飼育の場合は、感染症があっという間に広がってしまう可能性もあるので、特に注意が必要です。
毎日の生活の中で実践したい目への気遣い
自宅での簡単なケアだけで、多くの目の病気を予防したり、進行を抑えたりできます。基本は清潔を保つことと目を乾燥させないことです。優しく触れてあげる習慣は、ペットとの信頼関係も深めてくれます。子犬・子猫の頃から始めると、大人になっても嫌がらずに受け入れてくれやすくなります。
3-1 清潔保持の取り方
目やにが出ていたら、柔らかいガーゼやコットンで優しく拭いてあげましょう。朝と夕の1日2回が理想です。拭くときは生理食塩水やペット用の目元専用ローションを使うのがおすすめです。なければ一度沸騰させて冷ましたお湯でもOKです。涙やけが気になる子は、目の周りも丁寧に清潔にしてあげましょう。短頭種(パグ、フレンチブルなど)は特に念入りにケアしてあげてください。拭く方向は目頭(内側)から目尻(外側)へ。逆だと汚れが目に入ってしまうので注意です。

3-2 目の休ませ方(乾燥対策)
部屋が乾燥しやすいときは加湿器を使って、湿度を50〜60%くらいに保ちましょう。また、エアコンの直風が目に当たらないよう、ベッドやくつろぎ場所の位置を調整してあげましょう。獣医さんに相談して保湿用の目薬を差すのも効果的です。軽く目頭をマッサージしてあげると瞬きが促され、涙が広がりやすくなります。暗い部屋で長時間過ごさせないよう、適度に照明をつけてあげましょう。

3-3 食事やその他の工夫
食事で目の健康をサポートする方法は意外と簡単です。いつものフードに少しトッピングするだけで、抗酸化物質や目の栄養素を補えますよ。
おすすめトッピング食材
青魚:
サバの水煮缶(人間用無塩のもの)などを少し。DHA・EPAが豊富で、目の血流を良くしてくれます。
ベリー類:
ブルーベリー(粉末が便利)やクランベリー。抗酸化作用が高く、目の老化予防に役立ちます。
野菜:
ほうれん草、ブロッコリー、にんじんを茹でて細かくして少量トッピング。ルテインという成分が水晶体や網膜を守ってくれます。
サプリメントについて
アスタキサンチン、ビルベリー、オメガ3脂肪酸などは、ドライアイや目の炎症に効果が期待できると言われています。ただし、必ず獣医さんに相談してから使い始めましょう。量や相性がペットによって違うので、自己判断はNGです。
ストレスを減らす工夫
ストレスは免疫を下げて目の病気を悪化させやすいので、リラックス時間をしっかり作ってあげましょう。
犬:毎日の散歩や遊びを欠かさず。
猫:キャットタワーやおもちゃで十分に運動できる環境を。
紫外線対策
紫外線も目の老化を早める原因になります。屋外に出る機会が多い子は、UVカット機能付きのドッグゴーグル(犬用サングラス)を試してみるのも良いです。室内でも、強い日差しが当たる窓際で長時間過ごさせないように注意しましょう。

定期検査で早めに見つけるメリット
目の病気の多くは、症状が出る前に定期検査で発見できれば、失明を防げる可能性がぐっと高まります。獣医さんによる眼科チェックが一番確実で強力な対策です。最近は動物専門の眼科病院も増えていて、精密な診断が受けやすくなっています。早期発見できれば、点眼薬だけで生涯うまく管理できるケースがたくさんあります。
4-1 検査のタイミング
基本は1歳から年1回の眼科チェックです。緑内障やドライアイがかかりやすい犬種、または7歳以上のシニアは半年に1回がおすすめです。ワクチン接種のタイミングに一緒に眼科検査をしてもらうとよいでしょう。糖尿病のある犬猫は目の病気が進行しやすいので、3ヶ月ごとのチェックを実施します。繁殖を引退した子は、ホルモンバランスの変化でリスクが上がるため、引退後すぐに一度検査を受けましょう。
4-2 主な検査内容
獣医さんが行う主なチェックは以下の通りで、どれも短時間で終わります。
眼圧測定:
トノペンという器具で簡単に測れます(緑内障の早期発見に重要)。
視診:
目の表面や周りを丁寧に見てくれます。
涙量テスト(シルマー試験):
紙を目に入れて涙の量を測り、ドライアイをチェックします。
眼底観察:
目の奥(網膜や視神経)まで見て異常がないか確認します。
蛍光色素染色:
角膜に小さな傷や潰瘍がないかを調べます。
*痛みはほとんどなく、ペットへの負担も少ない検査ばかりです。
4-3 最新の検査技術
最近の獣医眼科は技術が進歩していて、より正確に早期発見ができるようになりました。
動物用OCT(光干渉断層撮影):
人間と同じように網膜や視神経の詳細な断面画像が見られ、細かい異常も逃しません。
眼圧計の進化:
より痛みが少なく、正確に測れるようになりました。
AI支援診断:
画像から異常を早く見つけられるシステムが導入されています。

遺伝子検査:
進行性網膜萎縮(PRA)などの遺伝性疾患のリスクを事前に予測できるようになりました。
日常のケアを助けるおすすめアイテム
毎日の目元ケアを続けやすくするために、獣医さんおすすめのアイテムを紹介します。治療が必要な場合はペット保険で眼科費用がカバーされることもあるので、加入を検討してみてくださいね。
5-1 清拭グッズ(目やにや涙やけの拭き取り用)
目やにや涙やけを優しく拭き取るローションやシートが便利です。無添加・低刺激のものを選ぶと安心です。
涙やけケアローション:
ペッツルート 涙やけローション(天然成分で優しく汚れを落とせます)やブリージテール ペットセラキューアイ(低刺激で目元ケアに人気)。
目やに取りローション:
APDC クリアアイクリーンウォーターやUniOne 涙やけローション(獣医推奨の洗浄液としてよく使われます)。
5-2 サプリメント(内側から目の健康サポート)
ルテインやビルベリー、アスタキサンチン、オメガ3が入ったサプリで、白内障予防やドライアイ改善を期待できます。
ルテイン・ビルベリー配合:
毎日愛眼 ブルーベリー&ルテイン(ビルベリーエキス豊富で目の健康維持に)やブルーベリー&ルテイン(犬猫用粒タイプ)。
アスタキサンチン(白内障予防):
アスタキサンチンPlus(眼の機能改善に期待される犬猫用サプリ)。
オメガ3カプセル:
ワイルドアラスカンサーモンオイル カプセル(DHA・EPA豊富で皮膚・目サポートに人気)。

5-3 目薬(保湿・清浄・治療用)
獣医さんの指導のもとで使うのが基本です。清浄用から治療用まであります。
清浄・保湿用:
ワンクリーン(犬猫用点眼・清拭剤で汚れ除去に便利)。
ドライアイ治療用:
オプティミューン眼軟膏(シクロスポリン配合で標準治療薬)。
ヒアルロン酸入り保湿:
ヒアレイン点眼液(ジェネリックも多く、保湿効果が高い動物病院処方薬)。
タクロリムス点眼:
タリムス点眼液(免疫抑制剤でドライアイ治療に使われます、獣医処方)。

主な治療の選択肢
治療は必ず獣医さんの指導で行いましょう。眼圧を下げたり炎症を抑えたりするのが基本です。痛みのコントロールも大事です。早めに始めれば点眼だけでOKなケースが多いですよ。
6-1 点眼薬(一番多い治療)
眼圧下げ:ラタノプロスト、ドルゾラミド、チモロール
炎症・感染対策:抗炎症薬、抗生物質
保湿:人工涙液
6-2 レーザー治療
房水の流れを良くしたり、作る量を減らしたりします。負担少なく外来でできます。
6-3 手術
薬やレーザーで効かないときに行います。
白内障:濁った水晶体を取って人工レンズを入れる
緑内障:排水装置(Ahmedバルブなど)を埋め込む
重症時:痛みが強い場合は眼球摘出+義眼
6-4 最新の動き
視神経を守る薬や、幹細胞・iPS細胞を使った再生治療の研究が進んでいます。将来的に視力回復の可能性もあります。

ペットの目ケア 早わかり表
ペットの目ケア 早わかり表になります。参考にしてみてくださいね。
| 項目 | 主な内容 | 実践目安 | 期待効果 |
|---|---|---|---|
| おすすめアイテム | 涙やけシート ワンクリーン目薬 ビルバックローション UVゴーグル | 必要に応じて毎日〜散歩時 | 涙やけ・目やに除去 保湿・清潔維持 紫外線ダメージ防止 |
| 予防Tips | 定期獣医検診 室内清潔 UV対策 ストレスフリー環境 子犬期からのケア習慣 | 年1回以上 毎日 散歩時 常時 子犬期から | 早期発見 感染・乾燥予防 老化防止 免疫低下防止 嫌がらずケア継続 |
| 定期検査 | 眼圧・涙量・眼底チェック | 年1回以上(シニア・リスク犬種は半年に1回) | 早期発見・失明防止 |
| 日常清拭 | 目やに拭き・専用ローション | 毎日(朝夕) | 感染予防・清潔保持 |
| 保湿ケア | 加湿器・保湿目薬 | 必要時・乾燥時 | ドライアイ防止 |
| 食事 | 青魚・抗酸化野菜(ベリー・緑野菜) | 毎食少し意識 | 視神経保護・老化予防 |
| 注意症状 | 充血・目やに増・目をこする・ぶつかる | 気づいたら即 | 急性悪化防止 |
| 治療 | 点眼薬・レーザー・手術 | 獣医指導のもと | 進行抑制・視力維持 |
まとめ:ペットの視力を守るために今すぐできること
ペットの目の病気は、気づかないうちに静かに進みやすいです。でも、毎日のちょっとした観察とケアで、失明のリスクを大きく減らせます。
特に注意したい子:
緑内障やドライアイがかかりやすい犬種・猫種は、早めから気をつけましょう。
生活環境を整える:
部屋の湿度を保つ、エアコン直風を避ける、ほこりを溜めない。
毎日のチェック:
目やにが増えた、目が赤い、目をこする、物にぶつかる……小さな変化を見逃さないようにする。
定期検診を習慣に:
1歳から年1回、シニアやリスク犬種は半年に1回はうけましょう。ワクチンついでに眼科チェックがおすすめです。
ケアをサポート:
獣医さんおすすめの目薬やサプリ、青魚・ベリー・緑野菜を少しトッピングして内側からも守る。
気になることが少しでもあったら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。早めの対応が一番の予防になります。今日から始める簡単ケアで、ペットがいつまでも元気に散歩や遊びを楽しめますように。



