
夏の災害で、暑い中での避難生活はペットにとって本当に大変です。ジメジメした暑さは、ペットの体温をぐんと上げて、熱中症のリスクを高める事になります。この記事では、最新情報を基に、避難所でペットの体温を簡単にチェックする方法と、熱中症のサインに気づくための観察のポイントをわかりやすくお伝えしていきます。
夏の避難所でペットの体温チェックが大切な理由
夏の避難所は、人が多くて風通しが悪いことが多く、ペットにはその暑さが大きな負担となります。犬や猫は汗をかくのが苦手で、体を冷やすのが難しいので、体温をこまめにチェックすることが熱中症を防ぐ鍵になります。
ここでは、なぜ体温チェックの重要性、避難所での課題を整理します。
1.1 体温チェックが必要な理由
早めに熱中症に気づく:
体温が上がっているのをいち早く見つけられれば、熱中症がひどくなる前に対応する事
が出来ます。
健康をキープ:
暑さで体が弱ると、食欲が落ちたり、体の内側に負担がかかったりします。
ストレスを軽く:
体温の異常を早めにキャッチすれば、ペットのストレスや不安を減らせます。
みんなで快適に:
体温が安定していると、ペットが落ち着くので、避難所でのトラブルも少なくなります。
飼い主の安心:
ペットの状態がわかると、飼い主も心に余裕を持って避難生活を送る事ができます。
1.2 避難所での体温管理の大変なところ
道具が足りない:
体温計や冷やすグッズが手に入りにくく、簡単な方法で対応しなければなりません。
環境が厳しい:
避難所の暑さや狭いスペースは、体温を管理するのを難しくします。
ペットの動き:
慣れない場所でストレスを感じたり、動き回ったりすると、体温が上がりやすくなります。
知らないこと:
熱中症のサインや体温のチェック方法を知らないと、早く気づくのが難しいです。
ペットごとの違い:
犬、猫、ウサギなど、種類や年齢、体調で体温の調節のしやすさが変わります。

ペットの体温を簡単にチェックする方法
避難所では体温計が手に入らないことも多いので、耳やお腹を触る方法など、簡単なやり方で体温を確認することが必要になってきます。以下の方法を試してみてくださいね。
2.1 耳を触ってチェック
やり方:
ペットの耳(耳の内側や耳の外側)を指でそっと触ります。普段なら、耳は温かくて柔らかい感じです。熱中症が心配なときは、耳がとても熱かったり、硬く感じたりすることがあります。
気をつけること:
耳の毛が厚い場合は、毛を絡まないようにして、皮膚に直接触れましょう。暑い場所(たとえば、太陽の下)だと耳が熱くなるので、涼しい場所でチェックしてくださいね。何か変だなと思ったら、お腹や歯の状態も一緒に確認します。
どのくらいの頻度:
朝と夕方、または散歩した後に、1日2~3回チェックしましょう。
2.2 お腹を触ってチェック
やり方:
ペットのお腹(毛が薄いところ、たとえば脇の下や太ももの内側)を指で軽く触ります。普段は温かくて少ししっとりしています。熱中症のサインがあると、お腹がとても熱かったり、乾いた感じになることがあります。
気をつけること:
触るときは優しく、ペットが嫌がらないように。嫌がるなら無理に触らないでくださいね。
お腹の毛を軽く濡らすと、体温の変化がわかりやすくなります。触った後、体温計があれば、もっと正確に測ってみましょう。
どのくらいの頻度:
耳のチェックと一緒に、1日2~3回行います。
2.3 簡単な体温計を使う
やり方:
電池式の耳用体温計(ペット用)を用意します。耳の内側に当てて、10秒ほどで測れます。
犬や猫の正常な体温は38~39℃です。直腸用の体温計が使えるなら、ワセリンなどの滑りやすくするものを塗って、直腸に1~2cm入れます。40.5℃以上は緊急です。
気をつけること:
耳用体温計は直腸ほど正確ではないので、変な数値が出たら獣医さんに相談しましょう。直腸で測るときは、ペットが嫌がる場合があるので、落ち着いた状態でやってみましょう。体温計は防災バッグにあらかじめ入れて、予備の電池も用意します。
どのくらいの頻度:
何か変だなと思ったときや、気温が30℃を超えるときに測ります。
2.4 他のチェック方法
歯の状態を見る:
歯の周りを軽く押して色をチェックします。普段はピンクで、押すとすぐ色が戻ります。熱中症だと赤紫や白っぽくなることがあります。
脈を数える:
太ももの内側(大きな血管があるところ)を指で押して脈を測ります。犬の正常な脈は1分間に60~120回。熱中症だと速くて弱いことがあります。
気をつけること:これらは補助的な方法です。変だなと思ったら、耳やお腹のチェックと合わせて、獣医さんに連絡しましょう。

熱中症のサインと観察のポイント
熱中症のサインを早く見つけるには、ペットの行動や体の変化をしっかり観察することが大切です。以下のポイントをチェックしてみてくださいね。
3.1 ハアハア呼吸がひどい
サイン:
普段より激しい、止まらないハアハア呼吸。口を大きく開けて、舌が長く出ている。呼吸が荒く、鼻から「ヒューヒュー」音がする場合もあります。
観察のポイント:
散歩や暑い場所で休んだ後、5分以上ハアハアが続くか見てみましょう。普段の運動後の呼吸と比べて、リズムが速すぎないか注意します。犬は特にわかりやすいですが、猫が口を開けて呼吸している場合も要注意です。
対処法:
ハアハアが続くときは、涼しい場所に移動して、体を冷やしましょう。
3.2 ぐったりしている(元気がない)
サイン:
動きがゆっくりで、呼んでも反応しない。じっと横になって動かない。ふらついたり、倒れたり、ぼーっとしている様子もある。
観察のポイント:
普段の元気さと比べて、散歩や遊びに興味がなくなっていないか確認します。目がぼんやりしたり、瞬きが少ないときは、熱中症がひどくなっている可能性があります。ウサギやハムスターなどの小動物は、ケージの隅でじっとしている場合も注意が必要です。
対処法:
元気がないのが続くときは、すぐに体温をチェックして、獣医さんに連絡しましょう。
3.3 他の熱中症のサイン
歯や舌の変化:
歯の周りが赤紫色、舌がとても赤い、または乾いている。
吐く・下痢:
お腹の症状は熱中症がひどいサインです。血が混じる場合は急いで対応が必要です。
意識がぼんやり:
呼んでも反応しない、倒れる、けいれんする。すぐに獣医さんへ連絡しましょう。
観察のポイント:
歯の周りは朝と夕方に毎日チェックします。色やしっとり感をメモします。うんちやおしっこの異常(たとえば下痢の回数、色)を記録して、獣医さんに伝えましょう。行動の変化(たとえば普段は吠えるのに静か、または落ち着かない)を観察します。

避難所での体温チェックのやり方
避難所の環境で体温を上手にチェックするには、以下の手順を参考にしてみてくださいね。
4.1 チェックのスケジュール
朝と夕方のチェック:
1日2回、涼しい時間(たとえば朝7時、夕方6時)に耳とお腹を触って確認します。
活動後のチェック:
散歩や移動した後、5~10分後に体温をチェックします。ハアハア呼吸が続く場合はすぐに対応します。
暑い日の増やし方:
気温が30℃を超える日や、ジメジメしている日は、1日3~4回チェックしましょう。
4.2 環境を整える
涼しい場所を選ぶ:
体温をチェックするのは、風が通る日陰や静かな室内を選びます。太陽の光は避けましょう。
風を通す工夫:
テントや体育館では、窓や出入り口を開けて空気を流します。その場合管理者に相談してみましょう。
水を用意:
体温をチェックした後、冷たすぎない水を少し用意して、ペットが飲むか確認します。
4.3 記録と家族での共有
記録をつける:
体温や呼吸、行動の変化をノートやスマホにメモします。例:「6/22 8:00 耳ちょっと熱い、呼吸少し速い」。
家族で分担:
家族みんなで観察のポイントを共有して、誰かが気づけるようにしましょう。
獣医さんに伝える:
何か変だなと思ったことをメモして、獣医さんに正確に伝えられるようにしましょう。写真や動画も役立ちますよ。
ペットの種類に合わせた体温チェックの工夫
犬、猫、ウサギやハムスターなどの小動物では、体温の調節の仕方や観察のポイントが違います。以下に、種類ごとのチェック方法をご紹介します。
5.1 犬の体温チェック
触るポイント:
耳の内側とお腹(脇の下)がわかりやすいです。パグやブルドッグのような鼻の短い犬は特に暑さに弱いので気をつけてくださいね。
観察のポイント:
ハアハア呼吸や、散歩後のふらつきに注目します。舌の色(赤紫色)は毎日チェックしましょう。
対処法:
何か変だなと思ったら、耳用体温計で測ります。40℃以上なら急いで対応します。
5.2 猫の体温チェック
触るポイント:
耳とお腹(太ももの内側)をそっと触ります。猫はストレスで体温が上がりやすいので、落ち着いたときに。
観察のポイント:
口を開けて呼吸したり、隠れてじっとしているときは注意が必要です。
対処法:
変なサインが見られたら、静かな場所に移動して、濡れたタオルで体を拭きます。
5.3 小動物の体温チェック
触るポイント:
お腹や耳を軽く触ります。小動物は体が小さいので、変化がわかりにくい場合もあります。
観察のポイント:
動きが少なかったり、呼吸が速いときは要注意です。
対処法:
ケージを涼しい場所に移動して、風を通します。変だなと思ったら獣医さんに相談しましょう。

熱中症の緊急対応と獣医さんとの連携
熱中症のサインを見つけたら、すぐに対応することがペットの命を救う事になります。
以下の手順と獣医さんとの連携方法をご紹介します。
6.1 緊急対応のやり方
涼しい場所に移動:ペットを日陰や風通しの良い場所に連れていき、太陽の光を避けます。
体を冷やす:
冷たすぎない濡れたタオルでお腹、脇の下、足の裏を拭きます。扇風機や手で風を送って、冷やすのを助けます。冷たすぎない水を少しずつあげますが、無理に飲ませないでくださいね。
体温をチェック:
体温計で測って、39.5℃以下になるまで冷やします。
獣医さんに連絡:
サインが2~3分で良くならない場合は、すぐに獣医さんに連絡しましょう。
気をつけること:
氷水や冷たすぎるものは使わず、急に冷やしすぎないようにしましょう。
6.2 獣医さんとの事前の準備
体温管理の相談:
災害前に、ペットの普段の体温や熱中症のリスクを獣医さんに聞いておきます。
グッズを準備:
耳用体温計や濡れたタオルを防災バッグに入れます。
健康をチェック:
心臓の病気や太りすぎなど、熱中症になりやすい原因を事前に確認しておきます。
6.3 緊急時の連絡先
獣医さんの情報:
かかりつけの獣医さんやオンライン診療の連絡先を防災バッグに入れておきます。
地域のサポート:
避難所の獣医ボランティアや近くの動物病院の情報を用意しておきます。
連絡の準備:
停電に備えて、充電済みのモバイルバッテリーを準備しておきましょう。

チェックリスト:体温チェックの準備
このチェックリストで、準備が整っているか確認してみてくださいね。
体温チェックの準備:
耳用体温計や直腸用体温計を防災バッグに入れたか。予備の電池や滑りやすくするものを用意したか。
観察の習慣:
耳とお腹の触り方を家族で共有したか。ハアハア呼吸、元気がない様子、歯の変化を毎日チェックしているか。
緊急対応の準備:
濡れたタオル、扇風機、冷たすぎない水を用意したか。獣医さんの連絡先を確保したか。
環境の管理:
涼しい場所と風通しを確保したか。体温をメモするノートやスマホを準備したか。
まとめ:ペットの体温をチェックして熱中症を防ごう
夏の災害時の避難生活では、ペットの体温をこまめにチェックすることが、熱中症を防ぐためにとても大切になります。耳やお腹を触ったり、簡単な体温計を使って、異常を早めにキャッチしましょう。ハアハア呼吸やぐったりした様子などのサインを見逃さないよう、
毎日観察しましょう。

避難所の環境に合わせたスケジュールや記録の習慣で、ペットの状態をしっかり把握できます。獣医さんとの事前の準備や、緊急時の対応を整えて、ペットの種類に合わせた工夫をすれば、暑い中でもペットを守れます!
