
ペットを家族のように大切に思っている方にとって、地震や台風などの災害は本当に気がかりなものです。家が大きく揺れて家具が倒れたり、窓ガラスが割れたりした瞬間、ペットが足を切ったり、どこかを強く打ったりする可能性は決して少なくありません。そんなとき、すぐに正しい対処ができれば、ペットの痛みを和らげる事ができ、回復も早くなります。しかし、災害時は獣医さんに行くのも難しく、パニックになってしまうこともあります。だからこそ、事前にしっかり準備をしておくことがとても大切なのです。
本記事では、災害前に怪我を防ぐ準備をする理由から、日頃からできる習慣、実際に怪我が起きたときの応急処置の方法、おすすめのグッズ、そしてペット全体の防災対策までを、わかりやすくご紹介していきます。
災害前に怪我予防の準備をする理由
災害が起きると、普段の家の中は一変してしまいます。倒れた棚や飛び散ったガラス片、洪水の流れなどで、ペットが怪我をする危険が急に高まります。そんなリスクを少しでも減らし、ペットの安全を守るために、事前の準備がとても重要です。ここでは、なぜ今すぐ準備を始めるべきなのかを、ひとつずつわかりやすく見てみましょう。
1-1 怪我のリスクを減らす
災害前に家具をしっかり固定したり、床にクッション材を敷いたりしておくと、ペットが転んだりぶつかったりする事故を防げます。これだけの準備で、切り傷や打撲の多くを避けられるようになります。
1-2 飼い主さんの心の負担が軽くなる
怪我が起きたときに慌てず、落ち着いて対応できると精神的にもとても楽です。事前に準備をしておけば、冷静に処置を進められるようになります。
1-3 ペットの回復が早くなる
日頃から怪我を防ぐ習慣を取り入れておくと、ペットの体が強くなり、万が一怪我をしても回復が早くなります。予防こそが一番の治療と言えるでしょう。
1-4 避難生活が続けやすくなる
怪我が重くなると、ペットの移動が難しくなり、同伴避難ができなくなることがあります。予防をしっかりしておけば、長い避難生活でも一緒に過ごすことが可能です。
1-5 二次被害を防げる
小さな傷が感染して悪化すると、治療が大変になることがあります。事前の準備があれば、そんな悪化を最小限に抑えられます。
*これらの理由から、怪我予防の準備は「もしも」のためだけではなく、日常の安心にもつながります。

日頃から実践したい怪我予防の習慣
怪我予防も、防音ケージと同じように、日々の小さな習慣がとても大きな役割を果たします。少しずつ取り入れるだけで、ペットの体が強くなり災害時の怪我リスクがぐっと下がります。ここでは、すぐに始めやすく効果の高いものをひとつずつご紹介します。
2-1 定期的な運動を欠かさない
毎日のお散歩や室内遊びをしっかり行うと、筋力がついて転びにくくなります。特に高齢のペットには、軽いストレッチを取り入れた遊びがおすすめです。体を動かす習慣は、バランス感覚も養ってくれるので、災害時の転倒を防ぐ大きな助けになります。
2-2 爪と足裏の手入れを習慣にする
爪が長すぎると床で滑りやすく、怪我をしやすくなります。爪切りやファイルを使って、定期的に適度な長さに整えておきましょう。また、足裏の毛を短くカットすると、自然な滑り止め効果が生まれ、安定感が増します。
2-3 家の中の危険箇所をチェックする
家具の固定を強化したり、床にクッション材を敷いたりするだけでも効果があります。棚が倒れやすい場所や角の尖った家具をチェックし、必要に応じて保護カバーを付けましょう。
2-4 健康状態を毎日観察する
皮膚の状態や歩き方を毎日チェックし、少しでも異常を感じたら早めに獣医さんに相談しましょう。小さな皮膚トラブルを放置すると、傷口ができて感染しやすくなります。

災害時にペットが怪我したときの応急処置方法
万が一、災害中にペットが怪我をしてしまったら、まずは落ち着いて初動対応をすることが何より大切です。パニックにならず、基本的な手順を一つずつ踏むことで、ペットの痛みを和らげ、悪化を防げます。ここでは、よくある怪我の種類ごとに、誰でも実践しやすい基本的な対処法をまとめました。あくまで一時的な応急処置ですので、最終的には必ず獣医さんの治療を受けてくださいね。
3-1 出血が起きたとき
出血が激しい場合:
清潔な布やガーゼを使って、傷口を強く押さえて5分以上圧迫します。
出血が止まらないとき:
包帯で軽く巻いて固定してください。ただし、きつく巻きすぎると血流が悪くなるので、指1本が入るくらいのゆとりを持たせましょう。
3-2 骨折や脱臼の疑いがあるとき
骨折の疑いがある場合:
絶対に動かさないようにし、タオルや板などで周りを固定します。安静を保ちながら、獣医さんに到着するまで持ち運びます。無理に動かすと骨がずれて悪化する可能性があるので慎重に行いましょう。
3-3 擦り傷や切り傷の場合
汚れを流水で洗い流す:
土やガラス片が入っている可能性が高いので、優しく丁寧に除去します。消毒液で傷口を清潔にし、抗菌クリームを薄く塗ってから包帯で覆います。これで感染を防ぎ、治りを早められます。
3-4 熱傷(やけど)の場合
すぐに冷水で冷やす:
流水やぬるま湯で10〜15分冷やしてください。氷を直接当てると皮膚がさらに傷つくので避けましょう。腫れがひどいときは、獣医さんの指示を待って安静に保ちます。
3-5 重症の場合
呼吸が苦しそうだったり、意識がないときは、すぐに専門家に相談してください。人工呼吸や心臓マッサージが必要になることもあります。家族で一度練習しておくとよいでしょう。
*これらの対処法は、災害時の限られた状況でペットを守るための「橋渡し」です。
応急処置が終わったら、できるだけ早く獣医さんのところへ連れて行ってください。

おすすめの怪我予防と応急処置グッズ
4-1 基本の救急セット
アイリスオーヤマ ペット用防災セット:
ガーゼ、包帯、消毒液などが一式揃ったコンパクトなキットです。説明書が付いているので、初心者の方でも使いやすく安心です。
4-2 止血・固定に最適な包帯
ピジョン ペット用包帯テープ:
自己粘着性で伸縮する包帯です。ペットの毛に絡みにくく、固定が簡単で、獣医さんもよく使うタイプです。
4-3 傷口消毒に欠かせない液
マキロン消毒液:
日本で定番の消毒液で、傷口の感染をしっかり防いでくれます。刺激が少なく、ペットの皮膚にも優しいです。
4-4 総合ファーストエイドキット
ドギーマン ペット用ファーストエイドボックス(またはペットパラダイスブランド):
ピンセット、抗菌クリーム、ガーゼなどが入ったペット専用の総合キットです。持ち運びやすく、さまざまな怪我に対応できます。
4-5 棘や異物除去のアイテム
ドギーマン ペット用トゲ抜きセット:
棘抜きや異物除去に特化した小さなツールセットです。災害時の二次的な被害を防ぐのに便利です。
4-6 足の保護に便利なもの
ペット用滑り止めブーツ(例: ペットパラダイス グリップシューズやアイリスオーヤマ ペット用靴):
滑り止めがしっかり付いていて、ガラス片や瓦礫から足を守ってくれます。歩きにくさを防ぎながら、安全に移動できます。
ペット全体の防災対策を合わせて考える
怪我対策は、ペットの防災全体の一部に過ぎません。他の準備も一緒に整えておくと、いざというときに安心できます。ここでは、怪我予防と直結する大切なポイントをわかりやすくご紹介します。一つずつ取り入れて、ペットとあなたの安全をしっかり守りましょう。
5-1 移動の安全を確保する
キャリーバッグの中にクッション材や柔らかいタオルを入れておくと、移動中の揺れや衝撃からペットを守れます。特に怪我の心配があるときは、クッションを厚めに敷いておくと効果的です。また、水害や河川近くの避難が予想される場合は、ペット用ライフジャケットを準備しておきましょう。浮力がつくので、水辺での事故を防げます。
5-2 避難ルートの確認
普段のお散歩のときに、周囲の危険箇所(坂道の急なところや崩れやすい場所など)を意識して歩いてみましょう。避難経路を事前に何度か歩いておくと、災害時に迷わず移動できます。
5-3 栄養と体力を維持する
バランスの良い食事を毎日与えることで、ペットの体力がしっかり保たれます。体力があれば、怪我をしても回復が早くなります。非常食も栄養価の高いものを選んでおきましょう。缶詰やドライフードの他に、ビタミンやタンパク質を補えるサプリメントを少し準備しておくと安心です。

早わかり表:おすすめ怪我予防と応急処置グッズ比較
| 順番 | 商品・材料名 | 主な用途・特徴 | 価格目安(2026年現在) | おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|
| 4-1 | アイリスオーヤマ ペット用防災セット | ガーゼ、包帯、消毒液などが一式揃ったコンパクトキット。説明書付きで初心者向け | 3,000〜4,500円 | 持ち運びやすく、すぐに使える基本セット |
| 4-2 | ピジョン ペット用包帯テープ(または類似の自己粘着包帯) | 自己粘着性で伸縮する包帯。毛に絡みにくく固定簡単 | 1巻 500〜800円 | 獣医さんも使う定番で止血・固定に最適 |
| 4-3 | マキロン消毒液 | 日本定番の消毒液。刺激が少なく皮膚に優しい | 500ml 800〜1,300円 | 感染防止に効果的でペットにも使いやすい |
| 4-4 | ドギーマン ペット用ファーストエイドボックス(またはペットパラダイスブランド) | ピンセット、抗菌クリーム、ガーゼなどが入った総合キット | 2,500〜4,500円 | さまざまな怪我に対応できる多機能セット |
| 4-5 | ドギーマン ペット用トゲ抜きセット | 棘抜きや異物除去に特化した小型ツールセット | 800〜1,500円 | 災害時の二次被害を素早く防げる |
| 4-6 | ペット用滑り止めブーツ(例: ペットパラダイス グリップシューズやアイリスオーヤマ ペット用靴) | 滑り止め付きでガラス片や瓦礫から足を守る | 2,000〜4,500円 | 移動中の足の怪我を防ぎ、安全に歩ける |
災害後のペットケア
怪我の応急処置が終わった後も、ペットの回復に向けてしっかり支えることがとても大切です。災害発生後の数日〜数週間は、体力も心も弱っている時期なので、細やかなケアを心がけましょう。ここでは、実際に注意すべきポイントを一つずつわかりやすくご紹介します。
7-1 傷口の毎日チェックと清潔保持
毎日傷口をじっくり観察して、腫れや膿が出ていないか確認します。清潔なガーゼで優しく拭き、消毒を繰り返しましょう。湿気がこもると感染しやすくなるので、通気性の良い包帯を選びましょう。
7-2 痛みのサインを見逃さない
ペットが食欲をなくしたり、触られると嫌がったりしたら、痛みが続いている可能性があります。そんなときは、すぐに獣医さんに相談しましょう。
7-3 栄養補給の工夫
食欲が落ちやすい時期は、普段より少し柔らかい食事やウェットフードを与えてみましょう。ビタミンやタンパク質を多く含むものを選ぶと、傷の治りが早くなります。少しずつでも食べさせて、体力を回復させましょう。

7-4 精神的なケア
怪我のショックで不安定になるペットもいます。いつも使っているおもちゃや毛布を近くに置いて、安心できる空間を作りましょう。一緒に静かに過ごす時間を増やすと、心が落ち着きやすくなります。
7-5 獣医への連絡ルートを複数確保
災害時は電話がつながりにくいので、事前に近隣の動物病院や移動診療の情報を集めておきましょう。オンライン相談ができる獣医アプリも便利です。
7-6 回復期の運動制限
傷が治りかけの時期は、無理な動きをさせないようにしましょう。短い散歩から始め、徐々に距離を伸ばすのが安全です。
まとめ:怪我から守るのは飼い主の愛。今すぐ始められる防災習慣を
災害時の怪我は、いつでも誰にでも起こりうることです。でも、日頃の習慣と事前の準備があれば、ペットの痛みを最小限に抑え、回復を早めることができます。 この記事でご紹介したグッズや方法を、少しずつ取り入れていただければ、きっと大きな安心につながるはずです。 今日から一つずつ始めていきましょう。大切な家族の一員であるペットと、どんなときも一緒にいられるように。準備を進めることで、いざというときに「やっておいて本当によかった」と、心から思える日が必ず来ます。

