
災害時にペットを守るのは、飼い主にとって大切な役割になりますが、
特に夏の猛暑では、高温多湿な環境がペットの健康に大きな影響を与えてしまいます。
避難所や一時的な避難場所では、涼しい設備が整っていないことが多く、
ペットの体温管理や快適な環境の確保が難しくなりますよね。
この記事では、最新情報をもとに、災害時の猛暑でペットを守るための対策を、
事前準備、避難時の対応、長期的なケアの3つの視点から詳しくお伝えします。
環境省のガイドラインや獣医師のアドバイスを参考に、飼い主の皆さんが実践しやすい
具体的な方法をご紹介していきます。
ペットと一緒に安心で快適な避難生活を送れるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね!
猛暑時の災害でペットを守る大切さと課題
日本の夏は気温が35℃を超える日も多くなっており、湿度も高いため、
ペットにとって厳しい環境になっています。
災害時には、停電や避難所の設備不足もあり、ペットの熱中症や脱水のリスクが
さらに高まっているといいます。
きちんとした対策をしないと、ペットの健康を守れないこともあるんです。
1.1 猛暑がペットに与える影響
暑くて湿気の多い環境は、ペットの体に次のような影響を及ぼします。
熱中症:犬や猫は汗をかかず、呼吸で体温を調節します。
気温が38℃を超えると、体温が急上昇し、激しい呼吸や嘔吐、
意識の低下が起こる可能性があります。
特にパグやペルシャ猫のような短頭種や、子犬・老犬は注意が必要ですね。
脱水症:水分の不足は、口の乾燥や目のくぼみ、元気の低下を引き起こします。
重症になると、腎臓に負担がかかることにもなります。
皮膚トラブル:暑さと湿気で、皮膚が赤くなったり、かゆみや感染症が
起こりやすくなります。
避難所の環境:避難所ではエアコンがなかったり、ペット用のスペースが屋外に
設置されたりすることが多く、涼しく保つのが難しい場合があります。
九州豪雨では、避難所の暑さでペットの体調不良が報告されているようです。
1.2 事前準備の大切さ
環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」によると、
ペットと一緒に避難することが推奨されていますが、その場合、飼い主がペットの健康管理の責任を負う事になります。猛暑時の災害では、涼しい環境を整えるのが難しい為、事前にグッズを準備したり、ペットを暑さに慣らす訓練をしたりすることがとても大切になってきます。

事前準備:猛暑に備えるペットの防暑対策
災害時の猛暑からペットを守るには、事前の準備がとても重要です。
必要なグッズを揃え、ペットの健康管理や訓練をしっかり行って、
緊急時でも慌てず対応できるようにしましょう!
2.1 防暑グッズの準備
猛暑を想定して、以下のグッズを7日分準備してみてくださいね。
冷却マット:ジェルや吸水素材を使ったマット(例:ペット用ひんやりマット)を準備する。犬や猫1匹につき1日1枚、7日で7枚。小動物には小型のマットを5枚を準備する。
小型扇風機:電池やUSBで動く扇風機を準備する。ケージやキャリーに取り付けられるタイプを選びましょう。
遮熱シート:アルミ素材のシートを準備する。1匹につき1枚で、地面やキャリーの熱を防ぎます。
保冷ボトル:ステンレス製の水筒(500ml)を準備する。ペットの飲み水を清潔に保ちます。
これらのグッズは、防水のバッグにまとめて、湿気や汚れから守るようにしましょう。
電池や冷却剤の使用期限は6ヶ月ごとにチェックし、期限が近いものは普段使いして新しいものに交換していってくださいね。
2.2 ペットの健康管理と訓練
ペットの体調を整え、暑さに強い体を作る準備をしましょう。
健康診断:年に1回、獣医師に心臓や腎臓の状態を診てもらいましょう。
暑さで悪化しやすい病気(心臓病、腎臓病)を早めに見つけて治療するといいです。
水分補給の習慣:水分たっぷりのフードを普段から与えて、脱水を防ぐ習慣をつけます。
自動給水器(1L容量)を設置して、いつでも新鮮な水を飲めるようにするといいです。
暑さへの慣れ:気温28~32℃の日に、週1回、15分の短い散歩をする。途中、冷却マットを敷いて休ませ、ストレスを減らしてあげましょう。
キャリーに慣らす:冷却マットを敷いたキャリーバッグ(例:通気性の良いペットキャリー)に慣れるよう、週1回、10~20分の練習をする。慣れるまでは、おやつ(低カロリーのもの)で楽しく練習させましょう。
2.3 書類と情報の準備
災害時にすぐ動けるよう、以下の書類を防水ポーチにまとめておきます。
ペットの健康記録:ワクチン証明、持病の診断書、薬の情報を入れる。
防暑対策のメモ:冷却マットや扇風機の使い方、ペットの暑さ耐性(例:「30℃で15分大丈夫」など)のメモをいれる。
緊急連絡先:近くの動物病院やペット対応の避難所の連絡先を入れる。

避難所での防暑対策:ペットをすぐに守る方法
避難所では、涼しい設備やスペースが限られていることが多いです。
すぐにできる防暑対策で、ペットの体温をしっかり管理出来るようにしましょう。
3.1 キャリーバッグを涼しく保つ
キャリーバッグを涼しい環境にする方法になります。
遮熱と冷却:キャリーバッグの底に遮熱シートを敷き、冷却マットを置く。
保冷剤を布に包んで入れると冷えすぎを防ぐ事が出来ますよ。
扇風機で風を通す:小型扇風機を通気口近くに設置する。風が直接ペットに当たらないよう、角度を調節します。
通気性の確保:通気口を3分の2開けて、熱気を逃がします。湿気が気になる場合は、
吸湿シートを使うといいですよ。
3.2 ペットの体温管理と健康チェック
ペットの体温を保つための具体的な方法です。
体温チェック:1日3回(朝・昼・夜)、非接触式の体温計(例:ペット用赤外線体温計など)で測る。正常範囲を超えたら、冷却マットを追加してくださいね。
水分補給:保冷ボトルから常温の水を1回50ml、1日5回与える。
水を飲まない場合は、ウェットフードに水を混ぜてみましょう。
清潔に保つ:ペット用のウェットティッシュ(無香料)で1日2回体を拭き、皮膚トラブルを防ぐ。長毛のペットは、毛玉や湿気を特に確認するといいでしょう。
3.3 避難所の環境を整える
避難所の暑さを和らげる工夫です。
良い場所を選ぶ:直射日光を避け、風通しの良い場所(例:建物の北側、窓の近く)を
確保する。
遮熱の工夫:キャリーバッグの上に遮熱シートをかけ、太陽の熱を防ぐ。
地面の熱を防ぎたい時は、発泡スチロール製のマットを下に敷くといいですよ。
他の人との協力:小型扇風機の共同使用やペットエリアの清掃ルールを、ほかの飼い主さんと話し合っておく。アレルギーのある人への配慮として、毛が飛びにくいカバーをつけるようにしましょう。

長期的な防暑対策:ペットの快適さを保つ
災害が長引く場合は、暑さによる健康リスクを減らすための継続的なケアが
必要になってきます。ペットが快適に過ごせる環境を維持する方法をご紹介しますね。
4.1 水と栄養をしっかり管理
暑さで水分やエネルギーの消費が増えるので、適切な補給を心がけましょう。
食事の管理:水分たっぷりのフード(例:缶詰フード)を1日2回与える。
高温で傷まないよう、開けた後は密閉容器に移すといいです。
水分の補給:保冷ボトルで管理した水を1日5回、少量ずつ与える。
電解質サプリなどを1日1回加えて、脱水を防ぐようにしましょう。
栄養のサポート:ビタミンやミネラルのサプリで、栄養不足を補う。
4.2 健康状態を毎日チェック
以下の症状を毎日確認し、異常があれば獣医師に相談するようにしましょう。
熱中症のサイン:激しい呼吸、ふらつき、嘔吐。
脱水症のサイン:口の乾燥、目のくぼみ、尿の量が減る。
ストレスのサイン:食欲が落ちる、吠える、隠れる行動。
体温や食事の記録をノートに残し、変化を早めに気づけるようにしましょう。
4.3 避難所でのルールと衛生管理
長期間の避難で気をつけることとしては以下になります。
衛生を保つ:キャリーバッグをペット用除菌スプレーで1日1回掃除する。
排泄物は防臭ゴミ袋にすぐ入れるようにしましょう。
ルールを守る:避難所のルールに従い、ペットエリア外への持ち出しを避ける。
消臭スプレーを常備して、匂いに気をつけるようにしましょう。
情報交換:冷却マットの使い方など、ほかの飼い主さんと役立つ情報を共有する。

具体例:ペットの防暑対策シナリオ
5.1 猫1匹の場合
準備:冷却マット7枚、小型扇風機7個、遮熱シート1枚、保冷ボトル7本を防水バッグに
いれておく。さらにウェットフード2kg、栄養サプリを用意しておくといいですね。
避難所での対応:キャリーバッグに遮熱シートと冷却マットをセットする。
また、小型扇風機を通気口に取り付け、6時間ごとに電池を交換するようにします。
体温を1日3回、赤外線体温計で測るようにしましょう。
長期管理:ウェットフードを1日150g、水を1日200ml与える。キャリーバッグを毎日除菌
スプレーで掃除し、体調を記録ノートに書いておきましょう。
5.2 犬2頭の場合
準備:冷却マット14枚、小型扇風機14個、遮熱シート2枚、保冷ボトル14本を用意して
おく。ドライフード5kg、ウェットフード3kgを用意しておく。
避難所での対応:キャリーバッグを日陰に置き、遮熱シートで覆う。
排泄シートを1日4回交換し、消臭スプレーを使う。体温と食欲を毎日記録する。
長期管理:飼い主同士で掃除の役割を分担する。犬1頭につき水300ml、フード200gを1日2回与える。もし異常があれば、事前に用意した獣医師の連絡先に相談するようにしましょう。

防暑対策の比較表
対策内容 | 効果 | 使う場所 | 注意点 |
---|---|---|---|
冷却グッズ | 体温を下げ、熱中症予防 | 自宅・避難所 | 期限の確認、冷えすぎ防止 |
キャリーバッグ強化 | 涼しい環境、安心感 | 避難所 | 通気口の管理、定期清掃 |
健康管理 | 脱水や病気の早期発見 | 避難所 | 獣医師連絡先の準備 |
防暑対策チェックリスト
防暑対策チェックリストをまとめてみました。
ぜひ参考に活用してみてくださいね。
グッズの準備:
冷却マット7枚、小型扇風機7個、遮熱シート1枚を防水バッグにいれたか。
保冷ボトル7本、ウェットフード2kg、栄養サプリ7錠を準備したか。
6ヶ月ごとに電池やフードの期限をチェックしているか。
キャリーバッグの準備:
通気性の良いキャリーバッグに遮熱シートと冷却マットをセットしたか。
小型扇風機は用意したか。
健康管理:
赤外線体温計で1日3回体温を測っているか。
体温や食事の記録をノートに残しているか。
獣医師の連絡先を防水ポーチに入れたか。
まとめ:ペットと一緒に猛暑の災害を乗り越える
猛暑の災害でペットを守るには、事前の準備と避難所での素早い対応が大切です。
冷却マットや小型扇風機を揃え、キャリーバッグを涼しく整え、健康管理をしっかり行えば、
ペットと安心して避難生活をおくれますよ。
ぜひ次のステップから始めてみてくださいね!
冷却マット7枚、小型扇風機7個、遮熱シート1枚を防水バッグに準備する。
通気性の良いキャリーバッグに遮熱シートと冷却マットをセットし、暑さの訓練をする。
避難所では除菌スプレーで清潔に、赤外線体温計で体温をチェックする。
今すぐ準備を始めて、万が一の為にペットと安全な避難生活に備えましょう!

