
日本に住んでいる以上、いつ大きな大地震が来てもおかしくありません。大切な家族である犬や猫も、突然の揺れに巻き込まれてしまいます。過去の地震では、家具の下敷きになったり、割れたガラスでケガをしたりして、助けられなかった子がたくさんいました。しかも、ケガが原因で避難所で苦しんだり、最悪の場合は命を落としたりするケースも少なくありません。そんな悲しいことを繰り返さないために、今できる準備があります。
本記事では、犬猫の「頭」と「足」を重点的に守る方法と、実際に使えるおすすめグッズ、そして毎日のちょっとした習慣まで、わかりやすくお伝えしていきます。
なぜ今すぐ準備を始めるべきなのか
1-1 地震が起きた瞬間、ペットは自分で身を守れない
人間は机の下に隠れたり、ドア枠にしがみついたりできますが、犬や猫はパニックになって走り回るしかありません。そのときに頭に物が落ちてきたり、足をガラスで切ったりすると、すぐに命に関わるケガにつながります。揺れが収まってから「どうにかしよう」と思っても、もう遅いのです。実際、阪神・淡路大震災や東日本大震災の後には、「頭を打って意識を失った」「出血多量で助からなかった」という報告が数多くありました。
1-2 小さな傷が命取りになるのが避難所生活
避難所では床がコンクリートだったり、破片が散らばっていたりします。肉球に小さな傷がついただけで、そこから細菌が入り、数日で高熱を出してしまうこともあります。さらに、ストレスで免疫力が落ちている状態では、ちょっとした傷でも重症化しやすいのです。「最初は歩けていたのに、3日後に動けなくなった」という話を、獣医師さんからも何度もお聞きしました。
1-3 ペットがケガをすると家族全員が危険にさらされる場合も
ケガをしたペットを抱えて避難しようとすると、どうしても動きが遅くなります。階段を降りるのも一苦労ですし、余震が来たときに素早く動けません。結果として、飼い主さん自身が二次災害に巻き込まれてしまうこともあります。ペットの安全は、家族全員の安全につながっているのです。
1-4 迷子になるリスクも非常に高い
パニックになった犬や猫は、窓やドアの隙間から一瞬で外に飛び出してしまいます。首輪が外れていたり、鑑札がついていなかったりすると、二度と会えなくなる可能性が高まります。実際に、能登半島地震のときには、数千頭ものペットが迷子になりました。その多くが、事前にマイクロチップや鑑札の準備をしていなかった子たちでした。

毎日の生活の中でできる地震対策
2-1 お部屋の中の危険個所を見直す
テレビや本棚は必ず壁に固定しましょう。食器棚にはストッパーをつけ、割れやすいものは下の段に移動させます。床に置いている観葉植物の鉢も、重いものは高い場所から下ろしましょう。こうした基本的なことが、実はペットの命を守るのに大切なことになります。固定具はホームセンターで簡単に手に入ります。
2-2 爪と肉球のお手入れを忘れずに行う
長く伸びた爪は避難時にどこかに引っかかってケガの原因になります。また、肉球がカサカサに乾燥していると、ちょっとした衝撃でも裂けやすくなります。週に1回は保湿クリームを塗ってあげると安心です。
2-3 マイクロチップと迷子札は必ず準備しておく
マイクロチップは一度入れれば一生ものですが、登録情報は変更したらすぐに更新を忘れずにしましょう。迷子札は首輪とハーネスの両方につけておくと安心です。
頭を守る防災ヘルメットの選び方とおすすめ商品
3-1 サイズとフィット感が一番大切
頭囲をしっかり測って、1~2cmの余裕があるサイズを選びましょう。きつすぎると血が止まってしまいますし、ゆるいと意味がありません。測り方は、耳の上を通って頭を一周するだけなので簡単です。
3-2 軽くて通気性の良いものを優先する
長時間つけていてもストレスにならないよう、300g以下の軽量モデルがおすすめです。
換気穴が複数あるタイプなら、夏場でも蒸れにくいです。また、あご紐はマジックテープ式よりもバックル式の方が、揺れても外れにくいです。
3-3 実際におすすめのヘルメット
・「LESYPET 犬用ヘルメット」
頭囲25~50cmまで調整可能で、小型犬から中型犬まで幅広く対応しています。 内側が柔らかいクッションでできていて、着け心地がとても良いです。
・「MEDEL QUON ペット用ヘルメット」
猫ちゃんや小型犬専用の軽量モデル(約100g)です。 耳の部分が開いているので圧迫感が少なく、嫌がる子が少ないと評判です。
どちらも普段のお散歩やドライブのときから使っておくと、いざというときにスムーズに着けられます。
3-4 ヘルメットを嫌がるときの対処法
最初は頭の上に軽く乗せるだけから始め、1日1分ずつ時間を延ばしていきましょう。
おやつをあげながら褒めてあげると、だんだん慣れてきます。
足を守る肉球プロテクター・靴の選び方とおすすめ商品
4-1 素材はゴムかシリコンが使いやすい
布製の靴下タイプはすぐに破れてしまいますが、ゴムやシリコンなら瓦礫の上でもしっかり守ってくれます。厚さは2mm以上あるものが安心です。

4-2 滑り止めがついているものを選ぶ
避難所の床や濡れた地面で滑ると、逆にケガをしてしまいます。底にしっかり溝が入っているタイプが安心です。特に大型犬は体重があるので、滑り止めは重要です。
4-3 実際におすすめの肉球プロテクター
・「Pawz ラバードッグブーツ」
天然ゴム100%でできていて、まるで第二の皮膚のようにフィットします。使い捨てできるので、汚れたら新しいものに交換できるのが便利です。
・「RUFFWEAR Grip Trex ドッグブーツ」
日本国内でも人気の海外ブランドで、サイズ展開がとても細かく、小型犬から大型犬までぴったりのものが見つかります。底が厚めで、熱いアスファルトからも守ってくれます。
・「FOMIYES シリコン猫足カバー」
薄くて柔らかく、爪も出せる設計なので、猫のストレスが最小限に出来ます。
4-4 靴を履かせるコツ
最初は前足2本だけ、1分だけ履かせてみましょう。歩けたら大げさに褒めて、おやつをあげます。後ろ足は前足に慣れてからで大丈夫です。
頭と足以外のプラスαで準備しておきたいもの
5-1 頑丈なキャリーバッグまたはケージ
衝撃に強いハードタイプがおすすめです。アイリスオーヤマの「エアトラベルキャリー」やリッチェルの「キャンピングキャリー折りたたみ」が丈夫で人気です。

5-2 7日分のフードと水、薬
普段食べているフードを小分けにして、消費期限をチェックしながらローリングストックしておきましょう。持病がある子は薬も忘れずに。
5-3 ペット用の救急セット
消毒液、ガーゼ、包帯、肉球クリーム、爪切り、体温計をひとまとめにしておくと安心です。100均の救急箱ならちょうど入ります。
5-4 ペット用の防災リュック
飼い主さんが背負えるタイプのものがあると、両手が空いて安全です。「アニコム 犬用防災リュック」などは、ペット用品がすっぽり入る設計でおすすめです。

早わかり表:頭と足を守るグッズ一覧
頭と足を守るグッズの早わかり表になります。参考にしてみましょう。
| 種類 | 商品名 | 対応サイズ | 主な特徴 | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|
| 犬用ヘルメット | LESYPET 犬用ヘルメット | 頭囲25~50cm | 軽量・調整ベルト付き・クッション厚め | 約2,200円 |
| 猫用ヘルメット | MEDEL QUON ペット用ヘルメット | 頭囲25~38cm | 耳穴あり・超軽量約100g | 約1,800円 |
| 犬用靴 | Pawz ラバードッグブーツ | XS~L(足長4~12cm) | 天然ゴム・使い捨て可・12枚入り | 約1,200円 |
| 犬用靴 | RUFFWEAR Grip Trex ドッグブーツ | 足幅2.0~3.25インチ | 厚底・強力滑り止め・耐久性抜群 | 約1,800円~ |
| 猫用肉球カバー | PAW WING シリコン肉球シール | S・M | 爪が出せる・薄手で動きやすい | 約900円 |
まとめ:万が一のときのために、今できることを
地震はいつ来るかわかりませんが、今から準備を進めていけば、いざという時に大事な家族、ペットの命を守ることにつながります。「まだ大丈夫」と思っているその間に、突然揺れが来たら後悔してもしきれません。。大切な家族の一員を失いたくないという気持ちは、皆さん同じだと思います。だからこそ、今できることを少しずつ始めていきましょう。


