
大災害が発生した時に、愛するペットと一緒に安全に避難するには、移動の準備をしっかりしておく事がとっても大事になります。特に小型ペットには、スリングが大活躍します。体にピタッとくっつけて運べるから、ペットも安心で、飼い主さんも動きやすくなります。
この記事では、小型犬、猫、ウサギ、ハムスター、モルモットにぴったりのスリングの選び方や使い方を、わかりやすくご紹介していきます。
スリングの大切さと災害時での活躍
災害時に小型ペットを安全な場所に連れて行くには、ちゃんとした移動手段が必要になります。スリングは、ペットを体にくっつけて運べる布のバッグで、ペットの移動中のストレスを減らしてくれる優れものなんです。
1-1. スリングってなんで必要なの?
災害時は、避難所や車で過ごすことが多く、荷物はできるだけコンパクトにしたいですよね。普通のキャリーバッグは大きくて重いけど、スリングなら軽くて折り畳めるから持ち運びが楽になります。たとえば、2017年の九州北部豪雨では、キャリーバッグが重くなってしまい、避難に手間取った飼い主さんがいたそうです。スリングなら、ペットを肩にかけて抱っこするみたいに運べるから、地震の揺れや騒音の中でもペットが安心する事ができます。しかも、両手が空くから、避難バッグや他の荷物も持つ事ができます。
1-2. スリングがないとどうなる?
2023年の台風13号のとき、キャリーバッグを持たない飼い主さんが、ペットを両腕で抱えて避難して、ペットが暴れて落ちそうになったり、逃げ出しそうになったりした例があったそうです。考えれれるリスクをまとめてみました。
(1)両手で抱えた場合、ペットが不安定になり落ちたり怪我したりする。
(2)飼い主さんの両手がふさがってしまい避難が遅れてしまう。
(3)ペットが移動時のストレスでご飯を食べなくなったり体調を崩したりする。
1-3. 小型ペットごとのスリングのニーズ
小型ペットの種類によって、スリングに求めるものは違ってきます。小型犬(チワワやマルチーズ)は動きやすい形、猫は通気性が良くて隠れられる空間、ウサギやハムスター、モルモットは安定感と暖かさが大事になります。たとえば、猫は狭い場所が好きだから、底がしっかりしたスリングがよいでしょう。スリングはペットの体型や性格に合わせて選べるから、災害時の移動に大活躍します。

1-4. スリングのいいところ
スリングは軽くて折り畳めるから、避難バッグにもスッキリ収納できます。また、ペットを体にピタッとくっつけるから、地震の揺れや騒音から守れて、飼い主さんの体温も感じる事が出来て安心感がアップします。更に両手が空くので、荷物を持って素早く移動できます。
1-5. 移動中のペットの安心感
ペットは知らない場所に行くと強いストレスを感じます。スリングなら、飼い主さんにくっついていられるから、移動中も着いてからも安心感を得られます。たとえば、猫がスリングの中にいる時、騒音や揺れがあっても落ち着いていられることが多いんです。
スリングの選び方と種類
災害時に役立つスリングを選ぶには、素材、サイズ、快適さがポイントになります。小型ペットごとの選び方を詳しくご紹介します。
2-1. 小型犬のためのスリング
小型犬には、動きやすくて丈夫なスリングがいいですね。
素材:
通気性のいいコットンやポリエステルで、洗えるものが便利です。
サイズ:
体重2~5kgの犬に合うもの。ペットの体にフィットするサイズを選びましょう。
特徴:
肩のストラップが幅広だと、飼い主さんの肩が楽になります。内側に滑り止めやクッションがあると安心ですね。
2-2. 猫のためのスリング
猫は安心できる空間が大事なので、通気性と隠れ感を重視します。
素材:
メッシュ素材や柔らかい布で、通気孔があって蒸れにくいものがおすすめです。
サイズ:
体重3~6kgの猫に合う小さすぎないサイズのものを選びましょう。
特徴:
内側に柔らかい裏地や、頭を隠せるカバー付きがよいです。ジッパーで開け閉めできるタイプも便利です。
2-3. ウサギのためのスリング
ウサギは繊細だから、安定感と暖かさがポイントになります。
素材:
コットンやフリース生地で、暖かくて柔らかい素材がよいです。
サイズ:
体重1~3kgに合う動きを邪魔しないサイズがおすすめです。
特徴:
底が硬めで安定感があり、肩ストラップにクッションがあると長時間でも楽です。

2-4. ハムスター・モルモットのためのスリング
小さなペットには、コンパクトで安全性の高いスリングがよいでしょう。
素材:
通気性のいいメッシュや布で、軽くて洗えるものがよいです。
サイズ:
体重0.1~1kgに合うフィット感のあるサイズがおすすめです。
特徴:
落下防止のジッパーやネット付きで、内側に滑り止めがあると安心です。
スリングの使い方
スリングを上手に使うには、正しい使い方が大事です。災害時の移動でも安全に使える方法をご紹介します。
3-1. 使い方のポイント
装着:
スリングを肩にかけて、ペットをそっと入れます。底にタオルやクッションを敷くとよいです。
移動:
ペットが動いても安定するよう、体にピタッとくっつけます。歩くときは揺れを少なくしましょう。
収納:
使った後は折り畳んで避難バッグのポケットに入れておきます。軽いからスペースを取らないです。
3-2. 清潔に保つコツ
洗う:
汚れたら中性洗剤で手洗いします。メッシュ素材は水でサッと流すだけでいいです。
乾かす:
風通しのいい場所で自然乾燥します。乾燥機は素材を傷めるからNGです。
点検:
定期的に縫い目やストラップのほつれをチェックします。破れがあれば交換しましょう。

3-3. 避難所でのマナー
避難所では、ほかのペットや人に気をつけます。スリングは使った後すぐ畳んでバッグに入れておきます。ペットの匂いが広がらないよう、清潔に保ちましょう。
3-4. 長く使うためのコツ
スリングは丈夫ですが、半年ごとに状態をチェックしましょう。布のすり減りやジッパーの不具合があれば、早めに買い替えをしましょう。
3-5. 水が少ないときの工夫
災害で水が少ないときは、スリングに除菌スプレーをしサッと拭きます。
スリング準備を災害準備と併せて行う
スリングを災害時のペット対策に併せて行う方法をご紹介します。
4-1. 避難バッグに収納
スリングは折り畳んで避難バッグの外ポケットに入れておきます。1つで200gくらいだから、2つ入れても軽いです。
4-2. 移動の計画
避難時の移動時間を考えて、スリングでの移動は30分以内にします。長時間なら、途中で休憩してペットのストレスを減らしてあげましょう。
4-3. 他のグッズと併せて準備
スリングは、避難用のご飯や水ボトルと一緒に準備してしまいます。

4-4. 家族で役割分担
家族で誰がスリングを使うか決めておきます。子どもはペットを入れる係、大人はスリングの管理、移動を担当するとよいでしょう。
4-5. 避難所の環境に合わせる
避難所では、スリングにタオルを敷いて、ペットが落ち着ける空間を作ってあげるとよいでしょう。

スリングに慣らすトレーニング
スリングに慣れる練習を行い、災害時でもスムーズに避難できるようにしておきましょう。
5-1. スリングに慣らす
毎日5分、スリングにペットを入れて慣らします。犬や猫は1週間、ウサギやハムスターは2週間程で慣れると思います。
5-2. 模擬避難で練習
定期的にスリングに入れて家の周りを10分間歩きます。ペットが落ち着いて入っていられるかチェックしましょう。
5-3. いろんな場所で練習
スリングを庭や近所でも使い、場所が変わっても慣れるようにします。猫やウサギに特に効果的です。
5-4. 安全性をチェック
スリングのストラップやジッパーを毎日見て、ペットが暴れても大丈夫か確認しておきます。
5-5. おやつなどを使う
スリングを嫌がる子には、おやつや好きなタオルをスリングに入れて慣らします。
5-6. 家族で楽しく
スリングでの移動練習を家族の楽しい時間にしてしまいます。
5-7. 季節ごとの工夫
夏は通気性のいいスリング、冬は暖かいスリングに替えて、季節ごとに練習をしてみましょう。
5-8. ペットの様子を観察
スリングを使うとき、ペットの震えや隠れようとするサインをチェックします。ストレス状態があれば時間を短くして慣らします。

早わかり表:ペットごとのスリング選び
| ペット | 素材 | サイズ | 特徴 | 管理のコツ |
|---|---|---|---|---|
| 小型犬 | コットン、ポリエステル | 幅30cm、深さ20cm | 幅広ストラップ、滑り止め | 手洗い、自然乾燥 |
| 猫 | メッシュ、布 | 幅25cm、深さ15cm | 通気孔、カバー付き | 除菌スプレー、点検 |
| ウサギ | コットン、フリース | 幅20cm、深さ15cm | 硬い底、暖かい | 週1回洗濯、乾燥 |
| ハムスター・モルモット | メッシュ、布 | 幅15cm、深さ10cm | ジッパー、滑り止め | 軽く拭く、点検 |
まとめ:スリングを使いペットの災害時の移動を安全に
災害時に小型ペットの命を守るには、スリングの準備が欠かせません。さっそく次のステップから始めていってみましょう。
ペットに合うスリングを選ぶ:
ペットに合った素材やサイズをチェックする。
安全と快適さの確認:
スリングの使い方や管理を習慣化する。
避難バッグに入れる:
他のグッズと一緒にスリングも入れておく。
慣らす練習:
スリングに慣れさせ、どこでも移動出来るよう練習しておく。


